各種ランキング
平成14年4月〜平成15年3月期 (年間10億円以上)
 【平成14年度概況】 【平成14年度完工高ランキング】
社数・完工高総額ともに増加も 公共工事減少で許可業者の淘汰進む
2002年(平成14年)度沖縄県建設業完工高ランキング゙ −(株)東京商工リサーチ沖縄支店調べ
■概況
  2002(平成14)年度沖縄県建設業完成工事高ランキングは、県建設業許可業者5,416社(大臣許可12社を含む平成15年3月末現在)の中で年間10億円以上の完成工事高を計上した企業を対象とした。 ランキング入りした企業は161社で前年度の159社を2社(1.3%)上回り、完工高総額は3,718億9,300万円となって前年度の3,703億6,400万円を15億2,900万円(0.4%)上回った。 対象企業の前期比成長率はプラス4.5%、また、決算期変更のあった8社を除いた153社の実質成長率もプラス2.3%となった。成長率は過去最悪のマイナス3.4%、決算期変更のあった22社を除いた137社の実質成長率もマイナス6.4%となった前年度からそれぞれ好転した。 県内トップゼネコンが顔を揃える上位10社の完工高トータルは1,068億7,600万円で、前年度の1,085億300万円を16億2,700万円(1.5%)下回った。完工高総額に占める上位10社の割合は28.7%で、前年度の29.3%を0.6ポイント下回った。この内、4社が100億円を超えており、93(平成5)年度からその顔ぶれは変わらず、5位以下との格差も依然として大きい。  増収企業は94社で全体の58.4%となり、半数割れした前年度の49.7%を8.4ポイント上回った。  完工高構成の殆どを占める5市(那覇市、浦添市、名護市、沖縄市、宜野湾市)の合計は、件数が129社(占有率80.1%)、完工高が3,204億4,700万円(同86.2%)となり、件数が前年度と同数・占有率(前年度81.1%)が1.0ポイント下回り、完工高も前年度の3,207億600万円(同86.6%)を2億5,900万円・0.4ポイントそれぞれ下回った。 02(平成14)年度の建設業界は、西日本建設業保証沖縄支店の公共工事発注者別の前年同期比請負金額で見るとウエイトの大きい国関係で2.8%、公団・事業団等で45.1%それぞれ増加したものの、県で12.0%、市町村で20.3%のそれぞれ減少して全体では9.8%の落ち込みとなった。また、本島中南北部・宮古・八重山の全ての地区と、土木、建築、電気、管の工事種別でも減少した。新設住宅着工戸数では持ち家が5.6%、分譲住宅が20.7%前年同期比でそれぞれ減少したものの、アパートなど貸家が同9.7%増加して4年連続増加した。こうした環境の中、登場社数、完工高総額共に前年を上回ったが、公共工事の受注ウエイトが高かった企業は受注機会の減少や請負単価の低下など減収が目立ち、また、工業化住宅建築を手掛ける業者の中でも勝ち組と負け組に分れる傾向が強くなってきている。さらに、建設業の倒産は前年同期比10件減少の49件となったものの、許可業者数がピークであった99(平成11)年度の5,640社から224社減少するなど淘汰が進んでいる事から公共工事の抑制を背景にランキング対象企業に限らず全体的に完工高実績が伸び悩む厳しい環境にある。
■実質的成長率プラス2.3%
  ランキング企業161社の平均増収率はプラス4.5%であるが、決算期変更のあった8社を除いた153社の実質的成長率はプラス2.3%となり、前年度のマイナス6.4%を8.7ポイント上回った。
■増収企業94社、減収企業67社
  ランキング企業161社の内訳は、増収が94社で全体に占める割合が58.4%となり、前年度の79社同49.7%を8.7ポイント上回った。逆に、減収は67社同41.6%となった。 新・再でランキング入りした企業は32社で前年度の27社を5社上回った。
■ベストテン企業
 1位は集計開始から揺るぎない位置を確保している國場組で、金武火力発電所1・2号機新設など大型工事は前年並みであったものの、完工高の計上方法を完成基準から進行基準に変更した事が寄与して増収となった。2位は沖電工で、電力関係の受注は減少したが、公共工事やFRTIDCビルなど大型工事の受注が良好で2年連続増収となった。3位は金秀建設で、沖縄国際大学講堂兼体育館改築や那覇市のITインキューベンと施設建設など大型建築工事に加え、マンションやホテル建築などもあって前期比2.0%の増収となった。4位は大米建設で、防衛庁の那覇地区隊舎新築や県の伊豆味トンネル新設の大型工事に加え、港湾土木工事など手掛けて前年と同順位となったが、公共・民間共に今一歩の受注で減収となった。5位は前年度にベスト10入り、今年度は順位を二つ上げた沖創建設で、個人住宅やアパート建築など民間受注が好調に推移、大臣許可取得で本格的な県外進出も果して成長を続けている。6位は仲本工業で、組踊り劇場の大型工事が次年度に繰越しとなった事が響いて減収となり、順位も一つ落とした。7位の大城組は、前期からの繰越し工事が少なく、当期における受注も前期比7.1%落ち込むなどで大幅な減収となった。8位の沖縄プラント工業は、沖縄電力から火力発電所関連などの機械器具設置工事を中心に受注するなどで増収傾向にあって、2年連続のベスト10入りとなった。9位は屋部土建で、名護市食肉センター新設、大保ダム河川切替え水道工事などの大型物件はあったが、民間元請けなどの減少から2年連続の減収となった。10位は太名嘉組で、マンションや学校校舎新築などで建築工事部門は好調であったが、公共土木工事の受注減少が響いて前期比5.1%の減収となった。
■増収率上位10社 (単位:百万円)
順位 社名 業種 増収率(%) 当期完工高 前期完工高
1 (株)キャリア・プラン 建築 123,5 1,627 728
2 (株)名護建設 土木 111,3 1,069 506
3 (株)沖電システム 電気 103,8 1,062 521
4 (有)呉開発 土木 103,6 1,490 732
5 沖縄菱電ビルシステム(株) 99,8 1,117 559
6 (資)上原興業 総合建設 95,9 4,743 2,421
7 (株)エヌ・ティ・ティ・ドゥ 電気通信・電気 82,2 1,312 720
8 (有)北勝建設 土木 81,1 1,152 636
9 琉幸建設(株) 建築 77,9 1,247 701
10 (有)丸内重機 土木 73,7 1,426 821
 
 増収率1位は設立から4期目でランク入りを果したキャリア・プランで、アパートやマンションなど民間住居の建築工事を主体に受注が好調に推移。2位の名護建設は、住宅建築と土木下請けの受注増加が著しく、初のランク入りも果した。3位の沖電システムは、西原浄水場や久志浄水場など大型工事が寄与して2年ぶりの返り咲きとなった。4位の呉開発は、総合事務局の排水構造物設置や関連会社からの下請けなど土木工事の受注増加が寄与した。5位の沖縄菱電ビルシステムは、大型ショッピングセンター内エレベーター新設など大型物件の受注があって飛躍した。6位の上原興業は、前期からの繰越し工事が多かった事に加え、ダム関係など大型工事の受注が活発であった。7位のエヌ・ティ・ティ・ドゥは、LAN整備の電気工事を中心とし、公共のイントラネット基盤整備工事など大口物件の受注が寄与した。8位の北勝建設は、県企業局の導水工事や漁礁設置工事など公共工事の受注増加があった。9位の琉幸建設は、高校校舎改築や活水処理施設建設など大型物件の受注が好調で、建築・石工事部門が伸びで初のランク入りとなった。10位の丸内重機は、漁港や浄水場関係の大型下請け工事の受注が好調で2年ぶりの返り咲きとなった。 
■減収率上位5社 (単位:百万円)
順位 社名 業種 減収率(%) 当期完工高 前期完工高
1 丸尾建設(株) 土木 △56,6 1,214 2,799
2 (有)国吉組 建築・土木 △38,1 1,151 1,860
3 (株)内間土建 土木 △36,2 1,241 1,944
4 (株)大寛組 土木 △34,9 1,144 1,757
5 協和産業(株) 総合建設 △31,2 3,725 5,418
■市郡別完工高並びに社数 
 11市合計の社数は前年度と同数の141社となり、全体に占める割合は前年度の88.7%を1.1ポイント下回る87.6%となった。各郡別の社数(占有率)は、中頭郡12社(7.5%)、島尻郡4社(2.5%)、国頭郡4社(2.5%)となり、前年度比で国頭郡が2社増加した以外は同数となった。市町村別ではゼネコンの集中する那覇市が前年度より3社減の64社、全体の39.8%を占め、以下は浦添市が前年度比4社増の34社(占有率21.1%)、名護市が同1社増の11社(同6.8%)、沖縄市が同2社減の11社(同6.8%)、宜野湾市が同数の9社(5.6%)と続いている。また、トップテン企業は那覇市5社、浦添市3社、沖縄市、名護市各1社となった。完工高構成は、那覇市が51.3%で、2位は浦添市18.1%、3位は名護市6.8%と続き、国・県など公共工事の発注機関が多い県都那覇市に本社を移す傾向があった影響で那覇市は1995年度から連続して過半数を超えている。 なお、具志川市が97(平成9)年度に1社が対象となった以降は対象が無く、宮古郡と八重山郡は集計開始以来、対象無しである。

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