各種ランキング
各種ランキング
平成17年4月〜平成18年3月期(年間10億円以上)
公共削減が件数・完工高の3年連続後退招く
國場組21年連続1位
2005(平成17)年度沖縄県建設業完成工事高ランキング −(株)東京商工リサーチ沖縄支店調べ
■概況
 2005(平成17)年度沖縄県建設業完成工事高ランキングは、県建設業許可業者5,389社(大臣許可10社を含む平成18年3月末現在)の中で年間10億円以上の完成工事高を計上した企業を対象とした。
ランキング入りした企業は141社で前年度の153社を12社(7.8%)下回り、完工高総額は3,323億2,400万円となって前年度の3,414億1,100万円を90億8,700万円(2.7%)下回った。完工高総額は00年度に4,000億円を超えた以降、減少傾向にあって過去10年間でも最少となった。
対象企業の前期比成長率はプラス5.4%で、また、決算期変更のあった10社を除いた131社の実質成長率はプラス4.7%となった。成長率はプラス0.0%(0.02%)、決算期変更のあった6社を除いた147社の実質成長率マイナス2.4%となった前年度から好転したが、完工高総額は3年連続減少した。
県内トップゼネコンが顔を揃える上位10社の完工高トータルは1,033億6,300万円で、前年度の970億1,100万円を63億5,200万円(6.5%)上回った。完工高総額に占める上位10社の割合は31.1%で、前年度の28.4%を2.7ポイント上回った。この内、100億円企業は、前年度に続き、國場組、沖電工、金秀建設の3社で順位不動となった。
  増収企業は77社で全体の54.6%となり、前年度の56.9%を2.3ポイント下回った。
  完工高構成の殆どを占める5市(那覇市、浦添市、名護市、沖縄市、宜野湾市)の合計は、件数が109社(占有率77.3%)、完工高が2,808億6,100万円(同84.5%)となり、件数が前年度の123社(同80.4%)より14社、完工高が前年度の2,915億9,300万円(同85.4%)を107億3,200万円それぞれ下回った。
05(平成17)年度の建設業界は、西日本建設業保証沖縄支店の公共工事発注者別の前年同期比請負金額で見ると市町村で4.8%増加したが、国で4.5%、県で3.8%それぞれ減少して全体では0.4%落ち込み7年連続で前年度比減少となった。また、地区別では南部・北部・宮古地区の地域と工事種別でウエイトの大きい土木工事の落ち込みが目立った。新設住宅着工戸数は前年同期比3.3%の増加となった。
許可業者5,389社の内、社数で2.6を占める141社の企業が登場したものの、社数、完工高総額共に3年連続減少、特に完工高総額は過去10年間で最少となった前年度をさらに下回る結果となった。件数は、公共工事のウエイトが高かった企業の受注機会の減少や請負単価の下落で減収が目立ち、談合問題を背景とした倒産も影響した。完工高総額は、10位にランクされた1社と倒産した特A企業2社(倒産のためランク対象外)の計3社で48億7,900万円前期比で落としたことが影響した。
実質的成長率プラス4.7%
 ランキング企業141社の平均増収率はプラス5.4%となったが、決算期変更のあった10社を除いた131社の実質的成長率はプラス4.7%となり、前年度のマイナス2.4%を7.1ポイント上回った。
■増収企業77社、減収企業64社
 ランキング企業141社の内訳は、増収が77社で全体に占める割合が54.6%となり、前年度の87社同56.9%を2.3ポイント下回った。減収は64社同45.4%となった。(03年度の増減収には、新設企業2社を含んでいない)
新・再でランキング入りした企業は17社で前年度の22社を5社下回った。逆にランク落ちしたのは前年度を3社上回る29社であった。
■ベストテン企業
  1位は集計開始から揺るぎない位置を確保している県内最大手の國場組で、大型民間工事などから全体で2.3%の増収となった。2位の沖電工は、前期からの繰越工事や土木で電力関連の那覇幹線新設、北中城幹線などを手掛け、2期ぶりに増収となった。3位は金秀建設で、マンション新築工事などで民間工事の受注増加などから16.8%の増収となった。4位は仲本工業で、かりゆしのホテル建築など大型工事があって前期比13.0%の増収となり、2年連続の同順位となった。5位は大米建設で、伊是名貯水池、新石川浄水場や遊技場、多機能病院など大型工事が好調で前年比14.4%の増収となった。6位は5年連続ベストテン入りの沖創建設で、関連会社で手掛けるマンション建築及び共同住宅建築など民間受注を主体として県外進出もあって決算期を6月に変更した99年度から6期連続増収を続けている。7位は太名嘉組で、大型工事などの受注が堅調で3期連続の増収で前年8位から順位を上げた。8位はアメリカンエンジニアコーポレイションで、米軍基地内の工事がほとんどで、エアコンメンテナンスの継続受注など4期連続の増収で過去最高の完工高を計上した。9位は前年と同じく屋部土建で、民間工事は比較的好調であったが、全体的な受注が振るわず、4.2%の減収となった。10位は大城組で、大保ダム、多機能病院、豊見城トンネル工事など大型工事もあったが、公共工事の落ち込みなどで29.2%の大幅な減収となり、前年5位から大きく後退した。
■増収率上位10社 (単位:百万円)
順位
社名
業種
増収率(%)
当期完工高
前期完工高
(株)沖縄建材 建築
114.7
1,183
551
沖電企業(株) 発電設備
103.9
1,140
559
(株)當山組 土木・建築
94.9
1,224
628
(株)佐平建設 土木・建築
69.4
1,940
1,145
(株)善太郎組 建築・土木
63.8
2,018
1,232
光南建設(株) 土木・建築
61.7
2,573
1,591
環ハウス(株) 建築
61.6
1,062
657
(株)丸元建設 土木・建築
47.5
2,665
1,807
大鏡建設(株) 建築
44.2
1,468
1,018
10
丸尾建設(株) 土木
42.8
3,050
2,136
増収率1位は沖縄建材でDFSの大型工事が寄与してランク入りを果たした。2位の沖電企業は、離島発電所補修工事の増加で前年のランク外から返り咲いた。3位の當山組は、中部工業高校校舎改築、読谷村かんがい施設工事や恩納村のリゾートホテル建築などから大幅な増収となった。4位の佐平建設は、キャンプ桑江油臭土壌処理工事、小学校屋内運動場新築など大口受注があった。5位の善太郎組は、ホームセンター新築工事で7億円余りの大口受注が寄与した。6位は光南建設で、新石川浄水場や普天間高校管理棟、農研センターなどの大型工事があった。7位の環ハウスは、関係会社からのマンション建築と民間ビル建築の大口受注から返り咲き。8位の丸元建設は、隔年での完工高は増減を繰り返し、主力の土木工事で報得川高架橋工事の大口受注から再び20億円台の完工高を計上。9位は大鏡建設で、小禄高校改築工事など建築工事を主体の受注が好調であった。10位は丸尾建設で、石垣地区での公共工事の受注が好調に推移したことから3期連続で増収となった。
 
減収率上位5社 (単位:百万円)
順位
社名
業種
増収率(%)
当期完工高
前期完工高
旭建設(株) 建築・土木
△ 38.2
1,562
2,528
(株)渡嘉敷組 建築・土木
△ 35.9
1,636
2,554
(株)東洋設備
△ 33.0
1,055
1,574
(株)信用組 建築・土木
△ 31.1
1,059
1,536
(株)大城組 総合建設
△ 29.2
5,130
7,245
 
市郡別完工高並びに社数
11市合計の社数は前年度の134社より11社減少の123社となり、全体に占める割合は前年度の87.6%を0.4ポイント下回る87.2%となった。各郡別の社数(占有率)は、中頭郡12社(8.5%)、国頭郡4社(2.8%)、島尻郡2社(各1.4%)となり、前年度比で中頭郡が1社増加、国頭郡が同数、島尻郡が1社減少した。市町村別ではゼネコンの集中する那覇市が前年度より5社減の57社、全体の40.4%を占め、以下は浦添市が前年度比4社減の26社(占有率18.4%)、沖縄市が1社減の12社(同8.5%)、宜野湾市が同3社減の8社(同5.7%)、名護市が同1社減の6社(同4.3%)と続いている。また、トップテン企業は那覇市5社、浦添市2社、沖縄市、名護市、宜野湾市各1社となった。完工高構成は、那覇市が50.5%で、2位浦添市17.0%、3位沖縄市7.3%と続き、前年度は那覇市に本社を置く上位陣の減収で94年度の49.2%以来、9年ぶりに半数を下回ったが、上位10社の内8社が増収で05(平成17)年は、過半数を超えた。
  なお、旧具志川市が97(平成9)年度に1社が対象となった以降は対象が無く、旧宮古郡と八重山郡は集計開始以来、対象無しである。
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