各種ランキング
各種ランキング
平成19年4月〜平成20年3月期(年間10億円以上)
公共事業削減と改正建築基準法施行の影響で上位企業の減収幅大きく
完工高は5年連続減少

2007(平成19)年度沖縄県建設業完成工事高ランキング −(株)東京商工リサーチ沖縄支店調べ
■概況
 2007 (平成19)年度沖縄県建設業完成工事高ランキングは、県建設業許可 業者4,979社(大臣許可11社を含む平成20年3月末現在)の中で年間10 億円以上の完成工事高を計上した企業を対象とした。 ランキング入りした企業は132社で前年度の141社を9社(6.4%)下回 り、完工高総額は2,938億3,000万円となって前年度の3,246億円 を307億7,000万円(9.5%)下回った。完工高総額は00年(平成12 )度に4,000億円を超えた以降、減少傾向にあって、17年振りに3,00 0億円を下回り、過去10年間でも最少となった。 対象企業の前期比成長率はマイナス4.2%で、また、決算期変更のあった7 社を除いた125社の実質成長率はマイナス4.0%となった。成長率は6年振 りにマイナスとなり、公共工事の減少傾向を背景に完工高総額は5年連続で減少 した。 県内トップゼネコンが顔を揃える上位10社の完工高トータルは874億6, 200万円で、前年度の955億6,900万円を81億700万円(8.5% )下回った。完工高総額に占める上位10社の割合は29.8%で、前年度の2 9.4%を0.4ポイント上回った。この内、100億円企業は、前年度に続き 、國場組、沖電工の2社で金秀建設が順位を下げた。  増収企業は69社で全体の52.3%となり、前年度の58.5%を6.2ポ イント下回った。  完工高構成の殆どを占める5市(那覇市、浦添市、名護市、沖縄市、宜野湾市 )の合計は、件数が99社(占有率75.0%)、完工高が2,362億3,7 00万円(同80.4%)となり、件数が前年度の105社(同73.9%)よ り6社、完工高が前年度の2,649億2,100万円(同81.6%)を28 6億8,400万円それぞれ下回った。 07(平成19)年度の建設業界は、西日本建設業保証沖縄支店の公共工事発 注者別の前年度比請負金額で見ると独立行政法人等で16.9%増加したが、県 で9.4%、市町村で1.5%それぞれ減少して全体では5.6%落ち込み、9 年連続で前年度比減少となった。地区別では、北部・中部地区の地域の落ち込み が目立った。また、新設住宅着工戸数は1万876戸と前年度の1万6,233 戸を5,357戸(33.0%)下回った。 許可業者4,979社の内、社数で2.7%を占める132社の企業が登場、好 調な住宅建設などもあったが、公共工事の減少と改正建築基準法施行などから完 工高総額が5年連続減少、特に完工高総額は過去10年間で最少となった前年度 をさらに下回る結果となった。また、公共工事のウエイトが高かった企業の受注 機会の減少や請負単価の下落で減収が目立ち、完工高総額は、トップ10にラン クされた4社と倒産した特A企業2社(倒産、解散のためランク対象外)の計6 社で 前年度比で112億1,100万円落としたことも影響した。
実質的成長率マイナス4.0%
  ランキング企業132社の平均増収率はマイナス4.2%となったが、決算期 変更のあった7社を除いた125社の実質的成長率はマイナス4.0%となり、前 年度のプラス1.8%を5.8ポイント下回った。
■増収企業69社、減収企業63社
 ランキング企業132社の内訳は、増収が69社で全体に占める割合が52. 3%となり、前年度の83社同58.5%を6.2ポイント下回った。減収は6 3社同47.7%となった。(03年度の増減収には、新設企業2社を含んでい ない) 新・再でランキング入りした企業は15社で前年度の22社を7社下回った。
  逆にランク落ちしたのは前年度を4社上回る25社であった。
■ベストテン企業
 1位は集計開始から揺るぎない位置を確保している県内最大手の國場組で、公 共工事の減少や指名停止などの影響はあったが、民間工事が比較的好調で2.9 %の増収となった。2位は沖電工で、電力関連の那覇幹線新設など大口受注を手 掛け、7.2%の増収で順位を上げた。3位は金秀建設で、民間工事における改 正建築基準法の影響や前年の大口受注による反動もあって46.2%の大幅な減 収となり前年から順位を下げた。4位はアメリカンエンジニアコーポレイション で、米軍基地内の工事がほとんどで、エアコンメンテナンスの継続受注など6期 振りに減収となった。5位は仲本工業で、次期繰越工事や土木工事の減少が影響 して前期比4.2%の減収となったが、前年と同じ順位となった。6位は太名嘉 組で、てだこ交流センターやマンション建築など大型工事の受注が好調で、10 .1%の増収となり前年から順位を上げた。7位は7年連続ベストテン入りの沖 創建設で、県立博物館の大型工事や関連会社で手掛けるマンション建築及び共同 住宅建築など民間受注を主体として県外へも進出し、東京、札幌などでマンショ ン建築を手掛けて2.5%の増収となった。8位は大城組で、旭橋都市再開発、 国道507号線トンネル、那覇基地格納庫新設など大型工事もあったが、前年比 5.4%の減収で前年と同じ順位となった。9位は屋部土建で、公共工事を含め 受注の持ち直しから前年比17.8%の増収で13位から9位へ順位を上げた。 10位は沖縄プラント工業で、親会社の沖縄電力からの受注が比較的好調に推移 して前年比10.7%の増収で4年振りにトップ10にランク入りした。
■増収率上位10社 (単位:百万円)
順位
社名
業種
増収率(%)
当期完工高
前期完工高
(株)善太郎組 建築・土木
126.4
1,424
629
協栄海事土木(株) 土木
88.3
1,444
767
(有)ツナミ組 土木
76.6
1,102
624
東洋コンクリート(株) 土木・とび
74.6
1,093
626
(株)沖設備 管・電気
60.1
1,599
999
南西電設(株) 電気
49.9
1,025
684
(株)金城組 建築
49.1
1,491
1,000
(株)武国建設 土木
48.0
1,677
1,133
(有)国吉組 内装
47.6
1,519
1,029
10
(有)山口建設 建築・土木
44.3
1,750
1,213
 増収率1位は善太郎組で、公共施設建築やアパート建築など大型工事が寄与して ランク入りを果たした。2位の協栄海事土木は、前期からの繰越工事や公共工事 の受注の持ち直しなどで大幅な増収となった。3位のツナミ組は、大口の公共工 事のほか、民間住宅建築が好調で増収となった。4位の東洋コンクリートは、土 木工事が比較的好調に推移してランク入り。5位の沖設備は、中の町再開発事業 や沖電グループからの大口受注から増収。6位の南西電設は、前期からの繰越工 事や老人ホームなど大口受注から増収。7位の金城組は中学校改築の大口受注と 民間のアパート工事などが好調に推移して増収となった。8位の武国建設は、県 や総合事務局からの大口受注と前期繰越工事などから増収。9位は国吉組で老人 ホーム、校舎改築など公共施設の大型工事の受注増加で大幅な増収となった。1 0位の山口建設は、港湾関連工事や県営団地建築工事など公共施設の大口受注か ら2期連続の増収となった。
 
減収率上位5社(単位:百万円)
順位
社名
業種
増収率(%)
当期完工高
前期完工高
南洋土建(株) 総合建設
△ 58.6
2,163
5,224
金秀建設(株) 総合建設
△ 46.2
8,184
15,214
國和設備工業(株)
△ 46.1
1,340
2,487
(株)町田組 建築、土木
△ 35.8
1,032
1,607
座波建設(株) 建築・とび土工
△ 35.4
1,003
1,553
 
市郡別完工高並びに社数
 11市合計の社数は前年度の121社より11社減少の110社となり、全体に 占める割合は前年度の85.2%を1.9ポイント下回る83.3%となった。 各郡別の社数(占有率)は、中頭郡17社(12.9%)、国頭郡3社(2.3% )、島尻郡2社(1.5%)となり、前年度比で中頭郡が2社増加、国頭郡、島尻 郡が同数となった。市町村別ではゼネコンの集中する那覇市が前年度と同数の5 2社、全体の39.4%を占め、以下は浦添市が前年度比4社減の23社(占有率 17.4%)、沖縄市が2社減の9社(同6.8%)、宜野湾市が1社増の8社( 同6.1%)、名護市が1社増の7社(同5.3%)と続いている。また、トッ プテン企業は那覇市4社、浦添市3社、沖縄市、宜野湾市、名護市各1社となっ た。完工高構成は、那覇市が45.8%で、2位浦添市17.2%、3位宜野湾 市6.2%と続き、前年度は上位10社の内4社が増収で、半数を下回ったが、 07(平成19)年度は6社が増収で半数を上回った。
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