■概況 |
2006(平成18)年度沖縄県建設業完成工事高ランキングは、県建設業許可業者5,207社(大臣許可10社を含む平成19年3月末現在)の中で年間10億円以上の完成工事高を計上した企業を対象とした。
ランキング入りした企業は142社で前年度の141社を1社(0.7%)上回り、完工高総額は3,246億円となって前年度の3,323億2,400万円を77億2,400万円(2.3%)下回った。完工高総額は00年(平成12)度に4,000億円を超えた以降、減少傾向にあって過去10年間でも最少となった。
対象企業の前期比成長率はプラス1.2%で、また、決算期変更のあった12社を除いた130社の実質成長率はプラス1.8%となった。成長率は2年連続プラスとなったが、公共工事の減少傾向を背景に完工高総額は4年連続で減少した。
県内トップゼネコンが顔を揃える上位10社の完工高トータルは955億6,900万円で、前年度の1,033億6,300万円を77億9,400万円(7.5%)下回った。完工高総額に占める上位10社の割合は29.4%で、前年度の31.1%を1.7ポイント下回った。この内、100億円企業は、前年度に続き、國場組、金秀建設、沖電工の3社で沖電工が順位を下げた。
増収企業は83社で全体の58.5%となり、前年度の54.9%を3.6ポイント上回った。
完工高構成の殆どを占める5市(那覇市、浦添市、名護市、沖縄市、宜野湾市)の合計は、件数が105社(占有率73.9%)、完工高が2,649億2,100万円(同81.6%)となり、件数が前年度の109社(同77.3%)より4社、完工高が前年度の2,808億6,100万円(同84.5%)を159億4,000万円それぞれ下回った。
06(平成18)年度の建設業界は、西日本建設業保証沖縄支店の公共工事発注者別の前年度比請負金額で見ると独立行政法人等で28.9%、国で6.6%増加したが、県で5.7%、市町村で15.9%それぞれ減少して全体では4%落ち込み、8年連続で前年度比減少となった。地区別では、南部・八重山地区の地域と工事種別でウエイトの大きい土木工事の落ち込みが目立った。また、新設住宅着工戸数は1万6,233戸と前年度の1万4,303戸を1,930戸(13.5%)上回った。
許可業者5,207社の内、社数で2.7%を占める142社の企業が登場、好調な住宅建設などもあったが、公共工事の減少と特A企業の指名停止などから完工高総額が4年連続減少、特に完工高総額は過去10年間で最少となった前年度をさらに下回る結果となった。また、公共工事のウエイトが高かった企業の受注機会の減少や請負単価の下落で減収が目立ち、談合問題を背景とした倒産も影響した。完工高総額は、1位にランクされた1社と倒産した特A企業3社(倒産のためランク対象外)の計4社で、前年度比で130億9,200万円落としたことが影響した。
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■◎実質的成長率プラス1.2% |
ランキング企業142社の平均増収率はプラス1.2%となったが、決算期変更のあった12社を除いた130社の実質的成長率はプラス1.8%となり、前年度のプラス4.7%を2.9ポイント下回った。
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■増収企業83社、減収企業59社 |
ランキング企業142社の内訳は、増収が83社で全体に占める割合が58.5%となり、前年度の77社同54.6%を3.9ポイント上回った。減収は59社同41.5%となった。(03年度の増減収には、新設企業2社を含んでいない)
新・再でランキング入りした企業は22社で前年度の17社を5社上回った。逆にランク落ちしたのは前年度を8社下回る21社であった。
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■ベストテン企業 |
1位は集計開始から揺るぎない位置を確保している県内最大手の國場組で、公共工事の減少や指名停止などの影響から27.7%と大幅な減収となった。2位は金秀建設で、民間工事の受注増加などから29%の増収となり前年から順位を上げた。3位の沖電工は、土木で電力関連の那覇幹線新設、北中城幹線など大口受注を手掛けたが、繰越工事などから18.3%の減収となった。4位はアメリカンエンジニアコーポレイションで、米軍基地内の工事がほとんどで、エアコンメンテナンスの継続受注など5期連続の増収で過去最高の完工高を計上した。5位は仲本工業で、前年にホテル建築など大型工事の反動が影響して前期比9.1%の減収となり、前年4位から順位を下げた。6位は6年連続ベストテン入りの沖創建設で、関連会社で手掛けるマンション建築及び共同住宅建築など民間受注を主体として県外へも進出、99年度から6期連続増収を続けたが、繰越工事の影響から16.9%の減収となった。7位は太名嘉組で、大型工事などの受注が次年度へ繰り越したため、8.7%の減収となり前年と同じ順位となった。8位は大城組で、大保ダム、ターミナルビル解体、南部病院改築、豊見城トンネル工事など大型工事から前年比22%の増収で前年10位から8位に順位を上げた。9位は大米建設で、公共工事の減少や指名停止の影響などから前年比25.3%の減収で5位から9位へ大きく後退した。10位は徳里産業で、嘉手納ロータリー関連工事や外人住宅向け貸し住宅建築などの受注が好調で前年比53.4%の増収で始めてトップ10にランク入りした。
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■増収率上位10社 (単位:百万円) |
順位 |
社名 |
業種 |
増収率(%) |
当期完工高 |
前期完工高 |
1 |
沖電開発(株) |
建築・大工 |
196.2
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1,573
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531 |
2 |
(株)鏡原組 |
土木 |
153.7 |
1,398 |
551 |
3 |
(株)富士土建 |
土木 |
145.2 |
1,003 |
409 |
4 |
(株)オカノ |
管 |
141.3 |
3,093 |
1,282 |
5 |
(株)三和アグリテクノ |
とび土工・鋼構造物 |
132.4 |
1,034 |
445 |
6 |
沖縄電興(株) |
電気 |
107.0 |
1,035 |
500 |
7 |
(株)IMICORPORATION |
建築 |
71.1 |
1,495 |
874 |
8 |
(株)タダシ建設 |
土木・建築 |
70.4 |
1,481 |
869 |
9 |
(有)丸内重機 |
とび土工・土木 |
59.0 |
1,506 |
947 |
10 |
(株)池原建設 |
建築・土木 |
57.6 |
1,100 |
698 |
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増収率1位は沖電開発で、てだこ交流センターの大型工事が寄与してランク入りを果たした。2位の鏡原組は、前期からの繰越工事や公共工事の受注が持ち直しなどで大幅な増収となった。3位の富士土建は、本部港工事の大口受注や繰越工事で大幅な増収となった。4位のオカノは、与那国空港建設に伴う設備工事が寄与してランク入り。5位の三和アグリテクノは、国の補助事業による受注増加で2期連続の増収を果たした。6位の沖縄電興は、米軍電線地中下工事など大口の公共工事から増収。7位のIMICORPORATIONは、EMウェルネスセンター&スパの大型工事で増収となった。8位のタダシ建設は隔年での完工高は増減を繰り返し、型枠工事の増加や前期からの繰越工事で再び10億円台の完工高を計上した。9位は丸内重機で公共の元請工事は少なかったが、下請工事の受注増加で大幅な増収となった。10位の池原建設は、公共工事が減少したが、民間元請工事が好調で2期連続の増収となった。
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■減収率上位5社(単位:百万円) |
順位 |
社名 |
業種 |
増収率(%) |
当期完工高 |
前期完工高 |
1 |
光建設(株)) |
建築 |
△ 46.6 |
1,070 |
2,004 |
2 |
(株)佐平建設 |
土木・建築 |
△ 41.2 |
1,140 |
1,940 |
3 |
共和産業(株) |
総合建設 |
△ 40.3 |
2,199 |
3,684 |
4 |
光南建設(株) |
とび土工 |
△ 38.0 |
1,594 |
2,573 |
5 |
丸尾建設(株) |
土木・とび土工 |
△ 36.2 |
1,947 |
3,050 |
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■市郡別完工高並びに社数 |
11市合計の社数は前年度の123社より2社減少の121社となり、全体に占める割合は前年度の87.2%を2ポイント下回る85.2%となった。各郡別の社数(占有率)は、中頭郡15社(10.6%)、国頭郡4社(2.8%)、島尻郡2社(1.4%)となり、前年度比で中頭郡が3社増加、国頭郡、島尻郡が同数となった。市町村別ではゼネコンの集中する那覇市が前年度より5社減の52社、全体の36.6%を占め、以下は浦添市が前年度比1社増の27社(占有率19.0%)、沖縄市が1社減の11社(同7.7%)、宜野湾市が1社増の9社(同6.3%)、名護市が同数の6社(同4.2%)と続いている。また、トップテン企業は那覇市5社、浦添市2社、沖縄市、宜野湾市、嘉手納町各1社となった。完工高構成は、那覇市が45.7%で、2位浦添市18.4%、3位沖縄市6.8%と続き、前年度は上位10社の内8社が増収で、過半数を超えたが、06(平成18)年度は那覇市に本社を置く上位陣の減収で再び半数を下回った。
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